2017年3月4日土曜日

データサイエンス超入門 / 工藤卓哉、保科学世 (2013)

~ビジネスで役立つ「統計学」の本当の活かし方~

うーん、統計学のパートはちょっと難しかった。入門に超がつくのでこれくらい普通の人ならわかるのかな?

データーサイエンティストは、

  1. データを活用したビジネスを企画する力
  2. データサイエンスを支える統計知識
  3. アナリティクスを実現するITスキル
の3つが必要だと言う。
その筋に沿って、それぞれに解説を加えており、筋書的にはわかりやすかった。

統計については、非常にわかりやすく伝えようという意図も理解するし、書かれてあることは理解できたが、実際に応用しようとすると、難解な数式を活用しなければならないようで、急激にハードルが高くなる。

でも、こういうのを使いこなすことができたらカッコいいんだろうな、と思う。

2017年2月17日金曜日

業務改革の教科書 / 白川克、榊巻亮 (2013)

―成功率9割のプロが教える全ノウハウ―

業務改革の手法を探してこの本を読みましたが、少し中身が違いました。
手法ではなく、プロジェクトの進め方の本でした。

著者は、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(僕も過去に一緒に仕事させてもらったことがあります)のコンサルタントで、その数多くのプロジェクト経験をもとに、「こう進めたらいい」、「こういうところが落とし穴」、といった経験則が率直に、体系的に語られています。
面白いのは、章立てとは別に、各項にアルファベットがつけられていて、ちょうどAからZまでになっていることです。プロジェクトの進め方ABCということでしょうか。

著者の経験の範囲は、広い意味では業務改革プロジェクトなんでしょうが、狭い意味ではシステム構築を伴うプロジェクトが多いのではないかと推測しました。

コンサルという立場上、どうしても社外の目での指摘でもあり、そういう意味では限界があるのでしょうが、なかなか的を射たものも多くあり、共感もできました。プロジェクト管理の教科書的な表現や定見はほとんどなく、本当に経験から導き出されたもののようなのがいいところじゃないでしょうか。
「教科書」と大仰なタイトルになっていますが、確かに手元に置いて、いろんな局面で参考にしたいような本です。

しかし、「成功率9割」というのは、何をもって成功というのかの定義がそれぞれなので、何とも言えません。僕の知っているシステム開発を伴うプロジェクトは、100%の満足度で終結したことはありませんでした。プロジェクトは途中で曲道を迎え、行き止まりを回避しながら、どこかで妥協し、成功と言える一線を引き直し、ある種の不満を抱えながら終結するからです。をれを「成功率9割」というのは、コンサルタントとしての真摯さを疑いますが、出版社がつけたサブタイトルかもしれませんしね。


2017年1月28日土曜日

V字回復の経営 / 三枝匡 (2001)

2年で会社を変えられますか

三枝さんの第3作ですが、相変わらずすごいです。
仕事は、緊張の中で真剣にやらなければいけないんだなということを思い起こさせます。

また、企業は人の「やる気」が一番大事で、人のやる気を出すために、きちっとした戦略を立て、目的を徹底し、成果を出していくのだ、ということをこの本を通して言われているように思います。

今回の舞台である太陽産業アスター事業部は、改革の中でスモール・イズ・ビューティフルということで、組織をBUに分解することを選択します。ここに描かれてあるのは、まさに僕が以前いた事業部でやろうとしたことです。「創る、作る、売る」のサイクルを小さな体制で実現し、意思決定を早くする。人が事業責任を持つようにし、経営者を育成する。そういうことです。

少しガンバリズムというか、「男は仕事、女は家庭」的な少し古い仕事観であるところは、年代的にしょうがないんでしょうね。


2017年1月10日火曜日

中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚 / 洪自誠 (2007)

人生足るを知る、といった、道教、儒教、仏教の教義をないまぜにした教訓集ですが、多くは当たり前のようなことに思いました。
いくつかは心に響くものもありました。
  • 与えた恩は忘れ、受けた恩は忘れない。
  • 死に際になって、取り乱さなくてすむように、常日ごろから物事の本質や道理を見極めておかなければならない。
  • 自分本来の心を静かに見つめる努力によって自分という人間がわかるものである。
  • 人の上に立つ人間は、軽々しくふるまってはならない。それはまわりに流されて軽薄な行動をすると、心の落ち着きを失うからである。とはいっても、あまり重々しいのもよくない。柔軟な発想ができなくなったり、きびきびした行動がとれなくなったりするからだ。
  • よいことをしても、それが他人に知られることを期待するようなら、偽善にすぎない。
  • 清廉潔白でありながら、しかも包容力があり、思いやりを持ちながら、しかもすぐれた決断力を持っている。頭脳明晰であるが、他人の考えをやみくもに批判したりはせず、正直であるが、他人の言動に口を挟まない。このような硬軟両面を合わせ持った人こそ、立派な人物と言える。
  • 幸せも不幸も同じことと見なし、喜びも悲しみも忘れ去る。人生の達人は、こうした生き方ができる人のことである。

2016年12月18日日曜日

ワーク・シフト / リンダ・グラットン (2012)

孤独と貧困から自由になる働き方の未来図《2025》

2025年の世界を予想して、働き方を「シフト」させることを提案しています。
これからの世界をを考えるにあたり、5つの要因があるそうです。
  1. テクノロジーの進化
  2. グローバル化の進展
  3. 人口構成の変化と長寿化
  4. 社会の変化
  5. エネルギー・環境問題の深刻化
その未来には次の3つの暗い側面があります。
  1. いつも時間に追われ続ける未来
  2. 孤独にさいなまれる未来
  3. 繁栄から締め出される未来
逆に、3つの明るい側面もあります。
  1. コ・クリエーションの未来
  2. 積極的に社会とかかわる未来
  3. ミニ起業家が活躍する未来
漫然と未来を迎えると、暗い側面が現れ、主体的に築くと明るい側面が現れる。
そのうえで、次の3つのシフトを提案しています。
  1. ゼネラリストから「連続スペシャリスト」へ
  2. 孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へ
  3. 大量消費から「情熱を傾けられる経験」へ
ここに描かれてあることは、日本にありがちだと思っていたことです。思った以上に世界でも同じ状況なんですね。教授がロンドン在住であることも影響しているのでしょうか。

2016年12月10日土曜日

理系思考 / 大滝令嗣 (2005)

~エンジニアだからできること~

大滝先生は、会社の研修の講師に来られたことがあり、そのフランクな人柄でマネジメントについていろいろ教えてくれました。
その関係で少し気になり、この著書を読んでみました。
理系の思考方法を解説した本ではなく、エンジニアを応援する本でした。理系の会社にいる今の僕にとって興味深い内容でもありました。

まず大滝先生は、東芝に入りショックを受けます。ヒエラルキーの無駄、年功主義の無駄の中で、つぶしのきかないエンジニアを量産している日本社会に対してです。エンジニアは自律を重んじ自分の専門性にプライドを持つ。
やはりそうなんだ、と思わされます。どうしても「企業」は業績第一のもと、いろいろなことを管理したがり、業績にインパクトを与えない仕事はやめたがります。

そんな中であっても、大滝先生は東芝で「本当にやりたいことはアンダー・ザーテーブルで」という不文律も教わります。こういったことがあるから東芝も脈々と生き残ってきたのでしょう。

また、エンジニアであっても、人脈は大切、ということも説いています。「ビジネスとは、ピープルビジネスである」「ドント・バーン・ザ・ブリッジ!」。文系であろうと理系であろうと関係ありません。
海外経験が豊富で、理系から文系分野で仕事をしている大滝先生だからこそ、説得力があるんでしょうね。

理系だけが新たな価値を創造する、とエンジニアにエールを送っています。理系の息子にも聞かせてあげたいです。

序章 「つぶしのきかないサラリーマン」になるという危機感
第1章 エンジニアを大切にしない日本
第2章 見方を変えれば、今の仕事もうまくいく
第3章 いつか、人の上に立ったとき
第4章 エンジニアを卒業するなら
終章 エンジニアは錬金術師

2016年12月3日土曜日

仕事で「一皮むける」/ 金井壽宏 (2002)

関経連で2001年に、経営者20人にインタビューした結果を報告書にまとめたのですが、それを金井先生が新書版に編集し直したものです。
それぞれのインタビューの「さわり」を書いているだけなので、その時のバックグランドなり、大変さは正直わかりません。
ちなみに、 カテゴライズすると下のようなケース数になるようです。
  • 新規事業・新市場開発などゼロからの立ち上げ (20)
  • 悲惨な部門・業務の事態改善・再構築 (10)
  • 昇格・昇進による権限拡大 (7)
  • 入社初期の配属 (5)
  • プロジェクトチームへの参画 (4)
  • はじめての管理職 (2)
  • ラインからスタッフ部門・業務への配属 (2)
  • その他、移動・配置など (12)
修羅場と言えるようなものすごい体験をしてそうな人もいますし、それほどでもないような人もいます。
全編読んだ正直な感想は、「なんだその程度の経験でいいのか」ということでした。
僕だって、事業の立ち上げ時期に関わったことがあるし、20年に一度のプロジェクトにも加わったことがある。潰れかけの事業部門にいたこともある。
この本を読んでわかったことは、その経験から何を学ぶか、だということです。
いくら大変な経験をしても、そこから教訓を得なければ、単なる経験だし、どんな小さな経験でも、そこから大きな気づきを得られれば、一皮むける経験になります。
それは、どれだけ正面から向き合ったかということなのか、感性なのか。

奇しくもこの本でも「他人の『一皮むけた経験』を読んでも、一皮むけることはない」と書かれてあります。経験を「持論」にしていかかなければならない。
これを機に、自分の人生を見つめ直して、整理し直してみようという気になりました。

また、「40過ぎたら『ジェネラティビティ(世代性)』が必要」ということも書かれてあります。つまり、次世代の人を育てよ、ということ。僕の苦手分野ですが、意識していかないとね。