2017年6月5日月曜日

イノベーションのジレンマ / クレイトン・M・クリステンセン (1997)

もう20年前の本なんですね。
確かに事例は古いので、そうかなとは思いますが、言っている主旨は全く古さを感じさせません。

既存の成功した企業が、技術的に劣り、既存の顧客の要求に応えられない、かつ小さな市場しかない破壊的技術の前に、つねに敗れ去るのはなぜなのか。
それは、成功した企業が成功した行動原理によると看破しています。
  • 顧客の声に耳を傾ける。
  • 求められたものを供給する技術に積極的に投資する。
  • 利益率の向上をめざす。
  • 小さな市場より大きな市場を目標とする。
既存の顧客と市場、あるいは築き上げたバリューチェーンが、そして賢明な中堅社員が、破壊的製品の市場への進出を妨げます。

しかし、これは破壊的技術が出てきたときの既存企業の反応であって、汎用的なものではありません。むしろ、この本でいう「持続的技術」の方が多いのかもしれません。
ビジネスの流れが早く、ベンチャーが活躍する今だからこそ活きると思います。

かなり知的な刺激を与えてくれる本でした。