誰もが「人と違うこと」ができる時代
サブタイトルの「誰もが「人と違うこと」ができる時代」というのは少しずれているような気がしますが、オリジナリティというのは特別な人のものではなく、普通の人に備わっているもの、というのが著者の言いたいことです。
そういう意味もあって、この本の中では突飛なことは言われておらず、どれも聞くと「当たり前」に思えるものばかりです。
ただし、オリジナルな人になるには少し飛躍やコツが必要です。
例えば、クリエイティブなアイデアは、多作から生まれる、といったこと。多作であるがゆえに優れたものを出す確率が上がります。モーツアルトしかりダビンチしかり。優れたアイデアを出せ、ということではなく、多くアイデアを出せ、ということは何か自分でもできそうな気もしますが、やってみようとすると意外と難しいような気もします。
あるいは、同調性の回避。どうしても今ある常識、価値観、満足感にとらわれ、新しいことを発送するのが難しくなります。また、人間関係を円滑に進めるために、人に同調することも必要でしょう。僕なんかは同調圧力に負けやすいというか、同調志向が高い方の人間なので、健全な議論、といったものが得意ではありません。
あと、ちょっとの勇気。
オリジナルな人生を歩もうよ、という応援の書のように思えました。
なお、本書では、ものすごい量の知識と多くのケースが描かれてありますので、 一部を備忘として書いておきます。
- 変化を生み出す「創造的破壊」
- 眼鏡のオンラインビジネスを始めたワービー・パーカーの4人の創業者
- 大胆に発想し、緻密に進める
- セグウェイの失敗
- TV番組「となりのサインフェルド」の成功
- “無関心”を“情熱”へ変える法
- CIA分析官による情報共有プラットフォーム構築
- バブル社のディズニーへの売り込み
- 賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ
- キング牧師の締め切りとの闘い
- 「誰と組むか」が勝敗を決める
- ルーシー・ストーンとアンソニー、スタントンとの確執
- 「はみ出す人」こそ時代をつくる
- ジャッキー・ロビンソンは長男ではない
- ダメになる組織、飛躍する組織
- ポラロイドの凋落
- ブリッジウォーター社の社風
- どんな「荒波」も、しなやかに乗りこなせ
- ルイス・ピュー 北極海での遠泳
- ミロシェビッチを退陣させた草の根運動