2018年4月22日日曜日

モチベーション3.0 / ダニエル・ピンク(2010)


持続する「やる気!」をいかに引き出すか


第1部はモチベーションの研究、学術の紹介の中で、アメとムチ型が、モチベーションへの効果がないか、場合によってはモチベーションを下げることもあることを縷々説明している。「交換条件付き」報酬は特に危険だ。
テイラー、「欲求5段階説」のマズロー、「X理論、Y理論」のマグレガー、チクセントミハイら、モチベーションに関係のある巨人の研究成果も紹介されます。このあたりは、自説というよりは、モチベーション3.0の前提となる世の中の考え方の整理といったところ。

そのうえで、外部動機のタイプX(エクスターナル)、内部動機のタイプI(インターナル)を設定し、第2部でその3つの要素を提示してくれます。
1つ目はオートノミー(自律性)。自由度とも言えます。職場に自由を。そうすると内発的モチベーションが高まる!
2つ目はマスタリー(熟達)。フロー体験と日々の地道な努力。
3つ目は目的。金もうけだけではなく、人生に意味を与える目的が必要、ということ。
第3部はタイプIのための、ツールキットの提供ですので、この本のハートは第2部になります。

日本では純粋に「アメとムチ」型のマネジメントをする人はいないと思いますし、どっちかというと任せて伸ばすタイプのマネジメントが主流だと思いますので、この本の主張は奇異なものではありません。どこまでオートノミーを追求するか、ということかと思います。

はじめに ハリー・ハーロウとエドワード・デシの直面した謎
第1部 新しいオペレーティング・システム
・第1章 〈モチベーション2.0〉の盛衰
・第2章 アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
・第3章 タイプIとタイプX
第2部 〈モチベーション3.0〉3つの要素
・第4章 自律性〈オートノミー〉
・第5章 マスタリー(熟達)
・第6章 目的
第3部 タイプIのツールキット