2022年5月1日日曜日

地球生命の大進化 46億年の物語 / 田近英一監修

大人のための図鑑
生命は5回消えた?最新の研究成果が照らし出す知られざる絶滅と再生の物語


今のような人類という高等生物ができたのは、偶然なのか、必然なのか?
必然とも言えるし、数多くの偶然が重なった結果とも言えそうです。
気候変動がなければ、恐竜が進化して高等生物になったかもしれません。
地球は、温暖化と寒冷化と全球凍結を繰り返し、酸素濃度の上昇・下降、隕石の衝突、地殻変動、大規模噴火、その度に生命は大きな転機を迎えています。

恒星からの距離で、生命を育むのにちょうどいい距離をハビタブルゾーンというのだそうです。暑すぎても寒すぎてもいけない。ただ、あくまでこれは太陽系での経験を元にしたものです。しかも水が必要。そうじゃないところに生命は育たないのか?

この本で一番重要なページは、全体年表です。
46億年の地球の歴史で、生命が誕生したと考えられているのは40億年前、そこから数回の絶滅を経験した後、カンブリア爆発が起こるのが、5.4億年前。その間、なんと34.6億年もあります。
カンブリア紀以降を現代も含む顕生代というのだそうですが、その中でも恐竜が栄え出したジュラ紀が始まるのが2億年前。カンブリア紀からジュラ紀までの間、魚の進化、植物の上陸、動物の上陸などのイベントがあり、3.4億年を経ています。
恐竜が絶滅したのが、6550万年前、人類が誕生したのが700万年前、ホモ・サピエンスの誕生が15万年前。
もう桁が違っててよくわかりませんが、地球は、ホモ・サピエンスの歴史の3万倍の歴史を持っていることになります。

地球外に知的生命体がいたとしても、同じような進化をへて、同時性を持つのはどれくらいの確率なんでしょう?
しかも「知的」とは今の地球上の人類が考える定義であり、全く違う思考形態を持っていることの確立の方が高いようにも思えます。
私たちは、目隠しして象の花を撫でているにすぎないのです。

人間は生きる意味を考えたりしますが、この悠久の歴史を考えると、生きるこことには意味はないということが分かります。あったとしても DNA ビークルといった意味でしょう。知的生命を人類と考えると、生命誕生からの期間のうち、99.8%の期間は「知的」ではない生活を送ってきたのですから。

そういう目で現代の人類の生活を見ると、普通に思えていたものが、驚異的で異常な発展の結果に見えてきます。


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