2015年7月25日土曜日

JFK未完の人生 / ロバート・ダレク

"An Unfinished Life JOHN F. KENNEDY 1917-1963 by Robert Dallek"

アレックス・ファーガソンの自伝で紹介されてたのをきっかけに興味を持ちました。過半が大統領になる前までが書かれてますが、やはり興味深かったのは大統領になってからですかね。

大統領になる前の姿は、不完全な、少し偏った政治家像として描かれています。
大統領になってからは、いろいろな事案に対処する中で、まさに学習を繰り返して政治家として成長していったようです。その意味では成長途中での暗殺は、まさに彼の人生が「未完」だったと言えるでしょう。
ピッグス湾、ウィーン会談、キューバ危機、ベルリン危機、公民権運動、宇宙開発、ベトナム、核実験制限...よくもこれほど事件が起こるものだと思いますが、これらを「ブライテスト」の仲間の意見を集約しながら対処してきた姿は身近に感じます。

よく言われるように、彼の大統領としての実績はそれほどではないのですが、大統領としての人気は絶大なものがあります。僕が生まれる前のことなので、時代の空気は分かりませんが、おそらく人々はこの若くて志のある政治家を、自分の延長として感じていたのではないでしょうか。必ずしも成熟していない政治行動も、成金家族によるバックアップも、TV映りも、ウィットも親近感を得たのだと思いますし、こうなりたい、おうありたいというあこがれの姿だったのでしょう。

「経験」と「学習」(正しく認識して、正しく教訓を得る)が、何事にも大切なんだなと思いました。
松狛社

2015年7月11日土曜日

異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日 / 小板橋 太郎

日立が真のグローバル企業に変身していった数年間を、ドキュメンタリー風に追っていますが、なぜグローバル企業になろうとしたのか、その施策によってなぜグローバル企業に変身していったのか、そのあたりの分析はなされていません。あくまでドラマですね。
したがって、再現性のある施策の参考にはなりません。
ただ、川村氏のように、「終わった」人を起用して、ドラスティックな改革を断行していったところに、日立の奥深さを感じました。
以前松下と一緒に仕事をさせていただいた時と同じような、ロジカルを貫き通す、ある意味の「軽々しさ」です。