2016年12月10日土曜日

理系思考 / 大滝令嗣 (2005)

~エンジニアだからできること~

大滝先生は、会社の研修の講師に来られたことがあり、そのフランクな人柄でマネジメントについていろいろ教えてくれました。
その関係で少し気になり、この著書を読んでみました。
理系の思考方法を解説した本ではなく、エンジニアを応援する本でした。理系の会社にいる今の僕にとって興味深い内容でもありました。

まず大滝先生は、東芝に入りショックを受けます。ヒエラルキーの無駄、年功主義の無駄の中で、つぶしのきかないエンジニアを量産している日本社会に対してです。エンジニアは自律を重んじ自分の専門性にプライドを持つ。
やはりそうなんだ、と思わされます。どうしても「企業」は業績第一のもと、いろいろなことを管理したがり、業績にインパクトを与えない仕事はやめたがります。

そんな中であっても、大滝先生は東芝で「本当にやりたいことはアンダー・ザーテーブルで」という不文律も教わります。こういったことがあるから東芝も脈々と生き残ってきたのでしょう。

また、エンジニアであっても、人脈は大切、ということも説いています。「ビジネスとは、ピープルビジネスである」「ドント・バーン・ザ・ブリッジ!」。文系であろうと理系であろうと関係ありません。
海外経験が豊富で、理系から文系分野で仕事をしている大滝先生だからこそ、説得力があるんでしょうね。

理系だけが新たな価値を創造する、とエンジニアにエールを送っています。理系の息子にも聞かせてあげたいです。

序章 「つぶしのきかないサラリーマン」になるという危機感
第1章 エンジニアを大切にしない日本
第2章 見方を変えれば、今の仕事もうまくいく
第3章 いつか、人の上に立ったとき
第4章 エンジニアを卒業するなら
終章 エンジニアは錬金術師

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