2017年1月10日火曜日

中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚 / 洪自誠 (2007)

人生足るを知る、といった、道教、儒教、仏教の教義をないまぜにした教訓集ですが、多くは当たり前のようなことに思いました。
いくつかは心に響くものもありました。
  • 与えた恩は忘れ、受けた恩は忘れない。
  • 死に際になって、取り乱さなくてすむように、常日ごろから物事の本質や道理を見極めておかなければならない。
  • 自分本来の心を静かに見つめる努力によって自分という人間がわかるものである。
  • 人の上に立つ人間は、軽々しくふるまってはならない。それはまわりに流されて軽薄な行動をすると、心の落ち着きを失うからである。とはいっても、あまり重々しいのもよくない。柔軟な発想ができなくなったり、きびきびした行動がとれなくなったりするからだ。
  • よいことをしても、それが他人に知られることを期待するようなら、偽善にすぎない。
  • 清廉潔白でありながら、しかも包容力があり、思いやりを持ちながら、しかもすぐれた決断力を持っている。頭脳明晰であるが、他人の考えをやみくもに批判したりはせず、正直であるが、他人の言動に口を挟まない。このような硬軟両面を合わせ持った人こそ、立派な人物と言える。
  • 幸せも不幸も同じことと見なし、喜びも悲しみも忘れ去る。人生の達人は、こうした生き方ができる人のことである。

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