社員の4分の3が障害者という会社です。
ここで語られているのは、働くことの喜び。「働く」ということが素朴に喜びになることを再発見したことの驚き。そういうことです。
ここでは、障害者の家族の物語、障害者の会社を継いだ社長の物語、障害者本人の物語、障害者を雇うことを決めた会長の物語が語られます。
会長は、働くことが障害者の生きがいになることを発見して、障害者のための会社になることを決意します。障害者ができる仕事を社業にしようと業務開拓をし、障害者が仕事をしやすいような仕組みやルール、障害者ではない社員との融和などの施策を行っていきます。それは、「慈悲の心」からのものなのか。そのせいで業績が苦しくなたったこともあるようです。
その会社を継いだ現社長は、はじめビジネス優先の考え方でしたが、会社で働く中で、働くことの意味を障害者の社員の働きから教えられ、考えを入れ替えます。こちらの気づきの方が重要で、これを気づいた瞬間こそが核心だと思うのですが、その部分が淡白なのがこの本でイマイチ残念なところです。つまり、障害者はその存在自体が意味のあることなのです。
それにしても働くことの喜びを働く人が感じ、それが会社の業績に結びつくという、すばらしい循環です。
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