2021年6月9日水曜日

三体 / 劉慈欣 (2008)

世界的にヒットしている SF ということで読んでみました。

中国の文学ということで、国家礼賛的な先入観があったのですが、全くそんなことは感じませんでした。
逆に、冒頭の文革時代の苛烈な表現が、政治的に大丈夫か、と思うくらいでした。

小説としては、非常に面白かったです。
エンターテインメントですね。

謎解きの要素が多分にあり、結末はどうなっていくんだろうというワクワク感、この人の役割は何、という謎感で、グイグイ引き込まれます。科学の部分も分かりやすく、初心者的レベルの満足を与えてくれます。

残念なのは、終盤の三体世界の描写です。
全ての謎が明らかになるのですが、それが若干チンケというか、無理矢理というか、ちょっと非科学的というか。
デスラーやスター・ウォーズみたいな安っぽい感じになってしまいました。

でも、途中までは十分楽しめました。


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