2021年5月20日木曜日

君主論 / ニッコロ・マキアヴェリ (1532)

Il Principe /  Niccolò Machiavelli

マキアヴェリが士官のために書かれた、君主が力を発揮して国を支配するためにどうしたらいいのかを論じた古典です。

過去の君主を類型化して、汎用化を図ろうとしたものです。

日本で言えば、戦国時代の大名のあり方なんかを書いたもののように思いました。
下克上あり、恐怖政治あり、暴力がものを言う世界での生き残り方に近いように思いましたので、世間一般に言われているほどひどい表現はなかったのが正直な感想です。

全体は、論ずるテーマによっていくつかのグループに分けられ、前半は国あるいは軍事の側面で書かれています。興味深かったのは、後半の君主の資質に関するグループです。
「愛されるより恐れられる方がはるかに安全である」
「運命の風向きと事態の変化の命じるがままに、変幻自在の心構えを持つ必要がある」
「決断力のない君主は、当面の危機を回避しようとするあまり、多くの場合中立の道を選ぶ。そして、おおかたの君主がほろんでいく」
とまあ、色々な定説に溢れていて、そういうシチュエーションになったとき、ああそういやそんなこと「君主論」に書いてたな、と思い出しそうな感じです。

ちなみに、本来タイトルはなかったそうで、タイトルは本の内容から他人によってつけられたようです。僕はイタリア語は全くわからないのですが、Il Principe とは The Prince ということらしいです。


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