2016年11月26日土曜日

気分はもう戦争 / 矢作俊彦・大友克洋 (1982)

まあ、30年ぶりに読みました。大学のときに買った本は、卒業の時に誰かにあげたので。

カバーには「ニューウェーブの旗手 大友克洋」と書かれてあり、「そうか、ニューウェーブかぁ」と思いました。
当時は音楽でもニューウェーブってことが言われてましたもんね。
子供むけの漫画ではなく、大人向けの劇画をベースにした漫画ってところが新しかったのかな?

改めて、大友克洋の絵ってかっこいいなあと思います。葛飾北斎の影響も感じますが、完全に独自の絵画観を確立しています。
江口寿史が影響を受けたように、大友前と大友後で、漫画の世界が変わったんじゃないでしょうか。漫画家が好きな漫画家でしょう。

一方で、矢作俊彦のストーリーが軽妙で、当時の大友克洋原作の他の漫画も含めてこれが一番好きです。

2016年11月18日金曜日

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと / マーカス・バッキンガム (2005)

The One Thing You Need to Know : ...about great managing, great leading, and sustained individual success
by Marcus Buckingham

原題の通り、マネジメント、リーダーそして個人の継続的な成功について、それぞれ知っておくべきたったひとつのことがある、と説いています。

過去の著作では、マネジメントでは部下の強みを活かし、個人も自分の強みを活かすようにしなければいけない、と言っていましたが、今回はそこから少し進化した主張となっています。

簡単にまとめると、それぞれのたったひとつのことは、

  • マネジャー:部下の個性や強みを活用することに集中せよ
  • リーダー:未来を明確にあざやかに描き、人々を一致団結させよ
  • 個人:継続的に成功するには自分がしたくないことを見つけ、それをやめよ
ということだと思います。
個人の継続的な成功の部分については少しわかりづらい展開ですが、著者自身の経験に基づいているようです。

上のように主張しながらも、本人はマネジメントに向いていないというあたり、なんだか親近感がわき、いままでの著作とは少し趣を異にしているように思います。

いずれにしても、リーダー、マネジャーについて必要なことを、端的にそして明確に示してくれるのはありがたいです。

2016年11月6日日曜日

問いかける技術 / エドガー・H・シャイン (2013)

確かな人間関係と優れた組織をつくる
Humble Inquiry: The Gentle Art of Asking Instead of Telling

結局、うまく問いかけられていないなあ、と思って読んでみようと思いました。

「技術」と書いてますが、ハウ・ツーはほとんどありません。
原題にあるように「謙虚に」問いかけることの重要性を縷々説いています。
特定の答えを期待して質問してはいけないし、誘導的な質問もダメ。謙虚に問いかけるのです。
それがよい人間関係の始まりなのです。

アメリカの文化では、問いかけることよりも、自分が話す文化だと言います。
課題志向の社会と人間関係志向の社会の対比が、話す文化と問いかける文化の対比と対をなして説明されています。
課題遂行には人間関係のバックボーンが必要だとも説いています。

なるほど。
仕事生活でも家族生活でも生かせればな、と思いました。