2017年4月8日土曜日

戦略暴走 / 三品和広 (2010)

ケース179編から学ぶ経営戦略の落とし穴


資本参加、M&A、多角化、海外進出、川下進出、不動産などの戦略暴走がこれでもか、というくらい集められています。
創業者、二世、サラリーマン経営者、親会社から送り込まれた経営者など、主役は様々ですが、カリスマ経営者ではない普通の人が暴走するのが意外と多いことに驚かされます。

円高や日米貿易不均衡の時代に、アメリカに進取し多額の投資をしたが、中国の台頭に合い、何倍もの損失を喰らったようなケースもありますが、それも三品先生にかかれば、バッサリです。本業が低迷し、違う事業に手を出したケースも多くあります。同情してしまいますが、創造性の欠如だそうです。
普通に状況に対応した結果が悪かっただけではないかと思ってしまうだけに、かなり衝撃的な本でした。

バンドワゴンをさわやかに見送る勇気が必要だと。「みんながやるからやる」ような手は、必ず賭けで負けるはずだと。
暴走して失敗した企業は、利益率の低下か成長率の低下の末に、暴走に走っているとの分析もあります。その時に初めて手を打つのではもうすでに遅い、とのこと。

遠くの一点を見据えて事業を行い、創造的な経営をすべし。そういうメッセージと受け取りました。

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