2018年1月20日土曜日

日本の人事を科学する / 大湾秀雄 (2017)

因果推論に基づくデータ活用


これはなかなか革命的な本でした。

統計分析の手法の人事分野への適用が主題の中で、具体的展開として「女性活躍推進」「働き方改革」「採用」「定着率」「中間管理職」「高齢化」を扱っています。それぞれの統計手法も異なっています。

ある会社で分析したところ、「採用時の試験結果とその後の活躍には関連性は見られない」とか「採用した人を母集団にすると誤った分析結果が導かれる」とか「360度評価と業績評価への関連性はない」とか、そういったことを「事実」として捉えられたら、その後のアクションを考えるときに、深い論考ができるだろうな、と思いました。

その事実からどう原因等を推論するか、というのがミソになってきますが、そこは統計では出てきません。統計と分析・推論のインタラクションが必要ですが、将来のAIと人間の役割分担についても示唆があるように思えます。

ただ、統計的数式は僕には難解で、その意味で言えば理解半分といったところでしょうか。言わんとするところは分かるのですが.....
こういうのができたらカッコいいなあと思います。

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