2018年2月12日月曜日

図説 地図とあらすじでわかる! 聖書 / 船本弘毅 監修 (2009)

今まで全く聖書に興味がなかったので、「ああ、そうだったのか」ということは多くありました。

これを読むと、旧約聖書というのは、ユダヤ人の古代の歴史書なんですね。日本でいうところの「日本書紀」とか「古事記」のような。メソポタミアから起こり、エジプトに行き、モーセに率いられて約束の地「カナン」に行く。その間「アダムとイブ」「エデンの園」「カインとアベル」「ノアの方舟」「バベルの塔」など、どこかで聞いたことのあるようなエピソードが満載です。そしてついにイスラエル王国をつくり、ミケランジェロの彫像で有名な「ダビデ」や「ソロモン」が王になって全盛を極めますが、他国に攻められて没落していく。
戦後、キリスト教国家がこぞってイスラエルの建国に尽力した原動力が旧約聖書にあることがよくわかります。

そして、イエス(イースス)の登場。ここからが新約聖書の世界ですが、ちなみに「約」というのは神との契約のことのようで、旧約ではモーセの十戒のようなものが契約のようです。
超人的な能力を発揮したり、死んだあと復活したり、という超常現象も書かれてあるようですが、意外と人間臭いイエスの姿があり、意外でした。親との関係はそんなに良くなかったとか、十字架にかけられたが結局軌跡は起きなかったとか。弟子のダメっぷりも面白いところです。

結局、旧約での神はユダヤ人の神(選民思想)でしたが、新約の神は全ての国、全ての人の神と捉えたのが大きな違いで、イエスの教えの特徴は「愛」です。貧しい人や身分の低い人にも救いを与えるところは、仏教にも通ずるところがあります。
親愛のしるしとして口づけするのはキリスト教からきているんですね。

初期の布教活動においては、ローマ帝国などに迫害を受けますが、他の神や帝国の皇帝を崇拝しない、という排他主義の強さがキリスト教を生き残らせたようにも思います。イスラム教の原理主義が問題視されることがありますが、すべての宗教は迫害への抵抗としての団結力と、他宗教への戦いを原則としているのだと感じました。

デイビッド、エイブラハム、サミュエル、ソロモン、マイケル、ガブリエル、マリア、ジョン、フィリップ、アンドリュー、マシュー、ピーター、トーマス、シモン、ジェームズといった名前は全て聖書から来ていて、その影響力の大きさも分かります。

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