2018年3月20日火曜日

生産性 / 伊賀泰代 (2016)

マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの

「生産性」について明快な方向性を指し示してくれる貴重な本でした。
各章は、いくつかの大きなパートに分かれているように思います。

第1パート

  • 序 軽視される「生産性」
  • 1章 生産性向上のための4つのアプローチ
  • 2章 ビジネスイノベーションに不可欠な生産性の意識
  • 3章 量から質の評価へ
ここでは、生産性の必要性と、投入量(=分母)の削減だけではなく、成果(=分子)の最大化にも取組む必要性と、分子の効果が大きいということを言われています。
成果の最大化に必要なイノベーションのためにも生産性の意識が重要だと。

第2パート

  • 4章 トップパフォーマーの潜在力を引き出す
  • 5章 人材を諦めない組織へ
ハイパフォーマーレベルではなく、希少なトップパフォーマーを成長させ活用することが企業全体の生産性向上につながるが、現在の日本企業はそれに失敗している(逆に足を引っ張っている)、ということと、圧倒的多数の普通の人のやる気維持こそが重要なのに、現在の日本企業はそれにも失敗している(不要な人扱い)、という主張です。

第3パート

  • 6章 管理職の使命はチームの生産性向上
  • 7章 業務の生産性向上に直結する研修
生産性向上に向けた、上司や人事の役割のことです。上司は年に一回は(懐かしの)「事業仕分け」ならぬ「業務仕分け」をせよ、とか研修では「ロールプレイ」が効果的、といったことを述べられております。

第4パート

  • 8章 マッキンゼー流 資料の作り方
  • 9章 マッキンゼー流 会議の進め方
これは幾分かハウ・ツーの部分をついでに紹介してくれた、というニュアンスでしょうか。ただ、資料のつくり方(「ブランク資料を作る」とか)は意外と一番参考になります。

ベストセラーになるだけあって、分かりやすく、かつ核心を突き、明快な良書だと思います。

https://docs.google.com/document/d/1WlRJNU5nElsU30F-nTJr8m1jhxwX6tzD_wWgVOV0cHw/edit

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