2018年9月4日火曜日

仏陀 ―その生涯と思想― / 増谷文雄(1969)

タイトルにあるように、ブッダの生涯を簡潔にまとめ、教えの主なものを紹介した本で、時にはイエス・キリストとの対比なども交え、非常に平たい本だと思いました。

ブッダといえども、二千数百年前の人なので、はっきりした生涯は分からないのです。百年以後に書かれた経典(阿含経)などでその教えと、教えの中に垣間見れる生涯、あるいはアショカ王の碑文などからの推測になるようです。

生老病死、一切皆苦の根本原理は、正直よく理解できませんが、苦しい状況下では心の救いになります。楽と苦には縁があり、楽があるから苦が生じる、苦があるから楽もある。一切をあるがままに受け入れることが心の平和につながる。良くなりたいと渇望することが苦しみを生む。良くなりたいと思うことは大事だが、それにより苦しむことはない、それが解脱なのでしょうか。
自分、周りの人、社会、自然その一切を、あるがままに受け入れる。

一方でブッダは、宗教団体のリーダーらしく、正しい方向への道程も示しており、弟子たちとの問答でそれが表れます。現代の僕からみれば少し説教くさくも感じます。
神を信じるような宗教とは違い、人間が主人公の人のための教えを説いた偉大な人間であり、かつ穏やかで心広く理性的な人物像が浮かんできます。

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