2018年11月6日火曜日

真理のことば ブッダ / 佐々木 閑 (2012)

NHK「100分で名著」を本にしたものですので、非常に読みやすく、かつ分かりやすい本でした。
ブッダの言葉を詩の形にして四百二十三句集めたのが「ダンマパダ」で、それを日本語に訳すと「真理のことば」だそうです。

ブッダの思想を要約すると、
  • この世の中は全て苦に結実していくという「一切皆苦」
  • すべてのことは因果で影響し合っており変化するものだという「諸行無常」
  • 人間はいくつかの機能が結びついたものでその中心となるような自分というものはないという「諸法無我」
で言い表せます。

この中で一番分かりづらいのが「諸法無我」です。「この世の一切の事物は自分のものではないと自覚して、自我の虚しい主張と縁を切った時、執著との縁も切れ、初めて苦しみのない状態を達成できる」とのことです。世界の中心に自分を置かない、そう捉えることで、何の偏見もなくありのままを理解できる、ということかもしれません。いずれにしてもうまくイメージできない言葉です。2500年前の人がこういった境地に達したというのは驚愕です。

幸せな時が続いて欲しいと欲するから執着が生まれ、苦となる。自分を中心に物事を考えるから欲が生まれ、苦となる。そういう理解でいいのでしょうか?
熱力学第二法則、エントロピー増大の法則をベースとした人生哲学に思えます。

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