2020年9月29日火曜日

こんな夜に野茂英雄が読みたい / Number特集 (2020)

メジャー挑戦25周年 完全保存版

僕の小さい頃のヒーローは王選手でした。

714号か756号か忘れたけど、父親に頼んで記念メダルを買ってもらったのを覚えています。

野球をテレビで見るのがホント楽しかった。

野茂は大人になってからなので、それほど熱狂しなかったけど、やっぱりメジャーリーグの活躍は興奮しました。

それと、イチロー。球場に行ったら、必ずヒットを打ってくれる選手って、やっぱ観に行きたいと思うよな。

この3人は僕にとっての特別なスーパースターですが、共通するのはフォームがオリジナルであること。

一本足にトルネード、振り子打法。

野茂を見た時は、王選手の興奮が蘇ってきたような感じを受けました。

僕も野球やってましたから、それはもう、こんなユニークなフォームというのは考えられないことです。基本フォームを繰り返し教えられる中で、よっぽど自分に自信がないと、貫き通せません。王選手もイチローもプロになってからコーチと編み出したものですが、野茂は高校に入った時はもうトルネードだったということですから、本当に自分で編み出したフォームだというところが違います。

近鉄での実績は素晴らしいものですが、やっぱり野茂が一番輝いていたのは、メジャーに行ってからでしょう。

オリジナルな上に、パイオニアなんです。
それも、実績を作って成功しました。

あの時は、日本人の誰もが野茂を応援したと思います。英語も喋れない日本人が単身乗り込んで、ホップする直球と鋭角に落ちるフォークでメジャーリーもきりきり舞い。胸がスッとしました。
日本球界を袖にした時は反感を感じる人もいたでしょうが、ドジャーズに決まってからは、そんなことはどうでも良くなりました。みんなラソーダとピアッツァの味方でした。

もうあれから25年。改めてこの特集を読むと、あの頃の興奮が蘇ります。
やっぱり近鉄のユニフォームより断然ドジャーズのユニフォームの方が似合ってます。

ストレートとフォークの2種類しかないのも、またいい。
イチローと違って、凄いだけじゃなく、コントロール悪いし、ストレートに伸びがない時は打ち込まれるし、完全じゃないところもまたよし。

特集の中で一番印象に残ったのは、ドジャーズ時代でも近鉄時代でもない、新日鐵堺時代のエピソードです。
1年目の大切な試合で打たれた野茂に、チームのエース清水さんが諭します。
「”こいつが投げたら絶対勝てる”、味方にそう思われるのがエースや。せやからまず、投げた試合は絶対抑える。その気概でマウンドに立て。エラーが出ても援護がなくても打たれても、すべて自分で処理しろ。それから、マウンドでは一喜一憂するな。あんなのは味方を不安にさせるだけや。喜んだり悔しがったりするのは、試合が終わってから。それができて初めてエースや」
野茂のその後は、これを忠実に守っています。それから野茂は胸を張って大きくワインドアップするようになりました。フォークも清水さんの投球からヒントを得たことで大きく落ちるようになったそうです。
王者のように堂々と。ライオンハート。そうでありたいと思います。


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