2015年10月11日日曜日

戦略プロフェッショナル・経営パワーの危機 / 三枝匡

いずれの本も実話をベースにしたケースで、おそらく主人公は著者本人だろう。修羅場を経験しての、経営者としての成長を描いている。

<戦略プロフェッショナル>
少し問題のある事業部門が、一人の戦略リーダーによって劇的に変わり、シェアが逆転していくストーリー。
  • 情報を集め、技術優位性、市場ポジション、価格決定のロジックを見極める
  • ユーザに会う
  • 社内体制の強み弱みを見極める
  • 競合の力を探る
  • 時間軸を見定める
  • 営業戦略を立てる
  • 市場をセグメント化して営業する
といったことを主人公は主導していく。
結局年7台しか売れなかった製品を、年150台売れるようにしていった。
キーは「戦略」。戦略論の知識があるだけでなく、実際に使うことが重要だ。

<経営パワーの危機>
経営危機に陥った中堅企業に社長として送り込まれたリーダーが、会社を変え、成長軌道に乗せていく。
  • 部門間の壁を取り払い、協力体制をひく
  • 戦略マトリクスを使い、成長のマップを描く
  • 開発を絞る
  • 人間関係に気を配る
  • 慢心しない
経営トップになるということは、今までの部門の長と違い、大きな責任、重圧、バランス感覚、リーダーシップが必要となる。
その中で、戦略を作り、みんなを巻き込んでいくことが必要だ。

いずれのストーリーも、ある戦略アイデアを基に、うまく組織を変えていくことがベースになっているが、そのアイデアの源と苦悩をもっと知りたい。
「改革中は大部屋で」「朝早く来て、少人数で朝会をする」「親会社の都合の人事は断固拒否する」、僕の関わった事業部門の再建の道のりでやられたことは、ここでも再現されている。
僕がやろうとした、各部門をまたいだ責任者を作ろうとしたことは間違いじゃなかったのだ、と思える。

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